SNS投稿から始まった“やさしさ”が、ケニアの女子生徒の「学校へ行ける日」をつくる
「#やさしさアクション」157件の投稿で約314日分の通学支援を実現しました
国際チャリティー・デー(9月5日)から国際ガールズ・デー(10月11日)にかけて実施したSNSチャリティーキャンペーン「#やさしさアクション」が終了しました。ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
このキャンペーンは、参加者がSNSで「#やさしさアクション」とハッシュタグをつけて「やさしさ」を投稿するたびに、協賛企業の協力によって生理用品1パック(10枚入り)がケニアの女子生徒に届けられるという仕組みです。
結果として、合計157件の投稿(X:135件、Instagram:22件) が集まり、157パック=1,570枚の生理用品 を届けることができました。
これは、ケニアの女子生徒たちの 約314日分の通学を支える支援 に相当します。小さな共感の投稿が、遠く離れた地で“学びを続ける時間”に変わる——。この新しい支援の形が、寄付や思いやりの文化を育む第一歩となりました。
10枚の生理用品が支えるのは「約2〜3日分の通学時間」
ケニアではいまも多くの女子生徒が、生理用品を買えないために月に数日間、連続して学校を欠席しています。特にスラム地区の学校では、9割以上の女子生徒が生理期間中に欠席している現状があります。
Nation紙(2025年4月)の全国調査によると、ケニアの女性の63.4%が「1周期あたり少なくとも11〜20枚以上の生理用ナプキンが必要」と回答しています。一方で、75.4%の女性は経済的な理由から1〜2パック以内(10〜20枚)で月経をしのいでいるのが現実です。世界平均で月経日数は約5日間とされており、これらの調査結果を踏まえると、10枚入りの1パック=約2〜3日分の通学を支える量に相当します。
さらに同調査では、生理用品を購入・入手できないことが搾取や暴力のリスクを高めるという深刻な実態も明らかになっています。回答者の3人に1人(33.6%)が、生理用品の欠如により性的嫌がらせや搾取の危険にさらされた経験があると回答。さらに80.7%が「公共の場で無料かつ十分な生理用品を提供することが、暴力や搾取のリスクを減らす」と強く同意しています。
つまり、生理用品の支援は単に「通学を支える」だけでなく、少女たちの安全と尊厳を守る行動でもあるのです。
SNS投稿が“支援”に変わる——寄付を気軽に体験できる仕組み
「#やさしさアクション」は、SNS上で「やさしさ」をシェアするという日常的な行為を、ケニアの女子生徒たちの“通学の時間”に変える取り組みです。
参加者は「ただ投稿する」だけで、遠く離れた場所に生きる誰かを応援する体験を得ることができます。
こうした共感を起点としたアクションが、寄付や社会参加への心理的ハードルを下げ、やがて“分かち合い”の文化を育てていくと私たちは考えています。
英国の慈善団体Charities Aid Foundation(CAF)が発表した「World Giving Index 2024」によると、日本の寄付・支援行動は142か国中141位という極めて低い水準にあります。
この現状を変えるために、SHIFT80は「共感を行動に変える第一歩」として、このキャンペーンを企画しました。
代表メッセージ
たった1ドルの生理用品が買えない。そんな理由で教育の機会を失う女の子たちがいます。
私たちは、わずかでも持ちうるものを分かち合うという行動が、やがて大きな変化を生むと信じています。
『#やさしさアクション』は、その最初の一歩でした。
SNSのひとつの投稿が、ケニアのスラムに暮らす女子生徒の“安心して学べる時間”につながり、
さらに投稿を見た誰かが次のやさしさを生む——そんな連鎖が静かに広がっていくのを感じています。
小さなやさしさを分かち合うことで、社会のあり方そのものを少しずつやさしく変えていく。
SHIFT80はこれからも“分かち合いの文化”を広げていく挑戦を続けてまいります。
代表理事 坂田ミギー
今後の展開
SHIFT80では、2025年12月より、本キャンペーンによって届けられた生理用品の配布をケニア・ナイロビのスラム地域で開始します。現地の学校や女性支援団体と連携しながら、女子生徒が安心して学び続けられる環境づくりを進めていきます。
そして来年以降は、この“やさしさの連鎖”をより広げるために、日本国内でも共感を行動に変える小さなアクションを継続して発信していきます。一度の投稿や寄付で終わらない、「続いていく支援の形」を社会に根づかせていきます。
📖 関連リンク